BoysAsiaBlog
サークル・BoysAsiaのアナウンスと日々の雑事、海外のこと、あと、いろいろ。
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9月17
聖マルコの仔獅子号航海記の覚書2
Filed under: 大航海時代オンライン;No Comments老いると生々しい生きた記憶は、乾いた白砂のように変わる。
そう、美しい軽やかなものに変わり果てる。
虹色に輝く貝殻の混じった白砂だ。
私の駈けた海。
それは、老いた私の記憶の中では、蒼く晴れやかに、あるときは緑に輝き、またある日には白銀のように冷たく鋭く、そして、鈍い鉛のように意地悪く面妖だった。
朝は紅に染まり、夕は橙に暮れる。
どの海も、宝玉を溶かし込んだ酒のような芳醇さを漂わせている。
美しい海だ。
陸の存在を忘れたような大海原であった大嵐の記憶でさえ懐かしい。
狂った海に突き刺さる青く輝く稲妻を見、海面を裂く轟音を聞いた記憶は、今では大天使ミカエルの振るう裁き剣の閃きを見たような気がして、畏敬と驚嘆の念~感動しか残っていない。
大雲の中を走る雷光は荒れ狂う東洋の竜のように勇壮だった。
なんと美しく驚嘆すべき海。
だが、若き私が書き記した記録は、海は断じて美しいだけの存在ではないことが明記されている。
老いた私の記憶~芳醇に熟成した甘い記憶を、若き私の覚書によって批判し、できうるかぎり事実だけを記そうと思う。
塵は塵に、灰は灰に、あるがままに、正しく事実を記録しようと勤めようと思う。
この記録は単純な記録ではなく、老いた私と、若き私の対話でもあるのである。~聖マルコの仔獅子号航海記前文より~
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9月7
聖マルコの仔獅子号航海記の覚書1
Filed under: 大航海時代オンライン;No Comments我がミキエレ一門の古文書室からの断片。
これは、私から数えて九代前の祖先が、航海時に残した覚書を和訳したものである。
晩年、回想録※1をまとめたため、必要なくなったなのか、祖先がこの覚書をいいかげんに扱ったため、束ねていた皮紐が切れ覚書一枚一枚の前後関係の判別が難しくなり、濡れたのかインクが滲み、黴がはえ、ただでさえ悪筆だったために不明瞭な祖先の文字が一層判別不能になってしまった。
その上、日付も入っているものもあり、入っていないものもあり、間違っているものもある。
その上、無関係な文章断片もまぎれこんでいるのである。覚書を書いた本人も混乱しそうな状況の覚書であるが、ここではなんとか整理できた内容を公開しようと思う。
「上品」な回想録を読むだけではわからない、祖先の素顔が見えてくるように思える。
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